コースデザイン(1回)

コースデザインとは日本語学習のコースを作ることです。

日本語のコースを作っていくためには、何を、どう教えるのかを考える必要があります。

学習者に教える項目の選び方、学習者のニーズに合わせたコースの設計の仕方を理解しなければなりません。

また、作成したコースをどう評価し、どう改善していったらいいかの知識も要ります。

ここでは、具体的に例を挙げながら、日本語学習コースの作り方を勉強します。

テキスト:三牧 陽子著 『日本語教師トレーニングマニュアル4 日本語教授法を理解する本 実践編』バベル・プレス

 

文法(9回)

日本語教師にとって、まず必要とされるのは文法の知識です。そして授業中、学習者から質問されるのが最も多いのも文法についてです。

例えば、「学校に勉強しています」という文。この文はおかしいということは、日本語母語話者ならすぐに気付くでしょう。

ただ、それを学習者に説明するには、「に」と「で」の使い方の違いが理解できていなくてはなりません。

日本語を教えるために必要な基本的な規則を知るのがこの単元の目標です。

本講座で扱う文法項目(名詞文/形容詞文/動詞の分類/辞書形/ます形/て形/た形/

可能形・受身形・使役形/条件/自動詞・他動詞/テンス/アスペクト/モダリティ/終助詞/

副詞/接続詞/待遇表現/敬語/初級の指導/中上級の指導/授受表現/あいづち/

許可・義務・勧告/命令・依頼・誘い/忠告・感謝/原因・理由・断り・謝罪/意見・ほめ)


テキスト:井口 厚夫、井口 裕子 著『日本語教師トレーニングマニュアル2 日本語文法整理読本 解説と演習』バベル・プレス

音声(7回)

日本語教師を目指すみなさんは、私たちの母語である日本語の発音をいったいどのように学んでいったのか覚えているでしょうか?一応不自由なく話すことができますね。

私たちが一見簡単な発音だと思っていても実は外国人にはむずかしい発音だったりします。

「やりまス」と「すきでス」の「ス」の区別ができるでしょうか?

これらの「ス」をみなさんはどのような過程を経て口から「ス」の音として出るか知っていますか?

また、日本語学習者の中には、「つ」という音を発音できない人が多いですが、どうすればその音を出すことができるでしょうか。

「つ」と「ちゅ」はどこが違うのでしょうか。

それには、日本語の音がどのように作られているかを知る必要があります。

音声は言語の基本的な要素ですが、普段、私達はあまり意識することなく、日本語を使っています。

日本語の音について説明できるようにするのが音声学の目標です。

テキスト:猪塚恵美子、猪塚元著 『日本語教師トレーニングマニュアル1 日本語の音声入門』バベル・プレス

語彙意味(5回)

「すぐ」と「もうすぐ」はどんな違いがありますか、と学生に聞かれたら、どう答えますか?
「湯のみ」と「酒のみ」の共通点と相違点についてわかりますか?
「気がおけない」という慣用句の意味について知っていますか?

日本語を教えている教室では、このような質問が毎日のように出されます。

日本語教師は常に現場で瞬時に正確な知識が求められます。

日本語の単語はどのように出来ていて、どう説明すればいいのか。

また、学習者はどのくらいの単語を知っていれば、不自由なく、日本語を使うことができるのか、

それを効率的に教えるにはどうしたらいいのか、

そのことを学ぶのが、この単元です。

テキスト:町田 健・籾山 洋介著 『日本語教師トレーニングマニュアル3 よくわかる言語学入門』バベル・プレス

第二言語習得(4回)

外国語を上手に使えるようになるにはどうしたらいいのだろうかと思う人はたくさんいるはずです。

いろいろな学習書をよんでもなかなか上達しなくてがっかりしている人も多いはずです。

この科ではいろいろあるメソッドやコツは果たしてどれだけの科学性を持っているのかを

効率的な外国語学習法は何かを外国語が習得されるまでのメカニズムと理論をとおして学んでいきます。

具体的にはバイリンガルについて、学習の動機が言語習得に及ぼす影響についてなどを学習します。

現在では、学習者を中心として、言語を学ぶことを考えていく研究が盛んに行われており、検定試験でも頻繁に出題されるようになってきた分野です。

テキスト:講師作成プリント使用

対照言語学(3回)

「日本語教師になるには外国語が話せないといけませんか」と日本語教師を志す人からよく聞かれます。

第二言語が話せないから自分は日本語教師になれないなどと悩む人もいます。

また、外国語に堪能であっても実際の教室では直接法を主にしているので、
それだけで日本語教師になれるわけではないのです。

外国語を学ぶということは学習者の心理を理解すると同時に、自分の話す母語と他の言語を比べる機会を持つことになるのです。
では日本語教師が外国語を利用するのはどんな時でしょうか?
それは日本語学習において学習者の問題点や困難な点を予測することができるからです。
たとえば「young」と「若い」は同じ意味なのでしょうか?たとえばこの文はどうでしょう。
「その時わたしは若かったので、母に絵本を読んでもらいました。」
の文は日本人ならちょっとおかしいと思いはずです。
しかし、英語だと「young」は少年期から幼年期まで表現できるからこのような文になるのです。

日本語の「若い」と英語の「young」は同じ意味ではないのです。

このように日本語教師が外国語の知識を持つことは学習者が母語の影響からどんな点に疑問を感じるか、
誤りやすいかを知るための対象研究の意義はあるといえます。

対照言語学というのは、任意の二つの言語を比べ、どこが同じで、どこが違うかを研究するものです。
日本語以外の言語を母語とする学習者が日本語を学ぶときにどんなところが分かりやすく、どんなところに躓くのか、それを学んでいきます。

また、言語の中にある発想の違いについても勉強します。

テキスト:町田 健・籾山 洋介著 『日本語教師トレーニングマニュアル3 よくわかる言語学入門』バベル・プレス

この科では英語、中国語、朝鮮語を取り上げ、日本語と母語との異動を理解することが目標です。

教授法(4回)

日本語を外国人に教えるには何が必要でしょうか?

いくら文法を知っていてもそれだけで教えることができるでしょうか?

それを使う「技法」を知らなければ、その言語を教えることができません。

日本語教師はことばや文法の知識だけではなく、
学習者にことばを教える「技法」も習得しなければならないのです。

外国語学習の主役は学習者で日本語教師はあくまでも補助役です。

いくら立派な教師でもその学習者の日本語運用力が上達しないようであれば、いい教師とは言えないのです。

学習者の力を最大限に発揮させるためにはどのような教授法が効果的なのか方法論を習得します。

また現在どのような教授法があるのかも通時的に学びます。

多くの日本語教育機関で使われているのは、オーディオ・リンガル・アプローチという教え方とコミュニカティブ・アプローチという教え方です。

ここではその2つの教え方を中心に、様々な言語の教え方を学習します。

テキスト:西口 光一著 『日本語教師トレーニングマニュアル4 日本語教授法を理解する本 歴史と理論編』バベル・プレス

評価法(4回)

日本語教師は教えるだけでいいわけではありません。

十分な知識や理論があっても、もしその学習者の日本語が上達しなければ教師はどうすればいいでしょうか?

「本当に覚えるのが遅い」とか「全然授業に参加してない」とか学習者のせいにして放っておけばいいのでしょうか?

日本語教師は学習者を理解し、本当に必要としている語学力は何なのか、それを教授するためにはどうすればいいのかなどを具体的に考えなければいけないのです。

それを知るためには、何がよくて何が悪いのかを具体的に判断できるものが必要です。それが学習者の評価になるのです。

この評価について理解するのがこの科の目標です。

日本語学習者の言語能力を評価するには、様々な方法があります。

ペーパーテストによるもの、作文テストによるもの、会話テストによるものなどです。

それらはどのように作成すればいいのでしょうか。

また、その結果は、どう処理すれば、より客観的な評価が得られるでしょうか。

ここでは、テストの作り方、評価の仕方についての基本的なことを学びます。

テキスト:三牧 陽子著 『日本語教師トレーニングマニュアル4 日本語教授法を理解する本 実践編』バベル・プレス

言語学(4回)

言語の主要な特徴は伝達の機能です。

誰かに何かを知らせる機能つまり相手に自分の思うことを伝えたり、

相手にして欲しいと思っていることを伝えたりするために言葉を使用しています。

このように伝達の機能だけに着目してみれば、人間以外の動物も鳴き声や行動であるていどの伝達機能を所有しています。

しかしそれは求愛、威嚇や危険を知らせるといったことに限られます。

人間だけが無限の内容を伝えることができるのです。

また、人間は伝達の手段として文字を使うことが他の動物の持つ伝達機能と大きく違うところですが、

言語学では「言語」というと「話しことば」つまり「音声言語」のことです。

文字は「音声言語」の例を挙げるために使用されるのです。

ですから言語学は音を媒介とした言葉に関する学問のことです。

言語学は非常に多岐にわたる学問ですが、日本語教える際には必ず関わってきます。

日本語教育能力検定試験にもよく出る分野ですから基本をしっかりとおさえましょう。

言語学と聞くと何やら難しそうですが、ここでは、言語とは何か、私たちは言語をどのように使っているのかについて勉強します。

テキスト:町田 健・籾山 洋介著 『日本語教師トレーニングマニュアル3 よくわかる言語学入門』バベル・プレス

文字表記(4回)

文字というのはことばを書き留める記号です。
それを見れば、音声で表現された元の言葉を知ることができます。

つまり文字には「書きことば」と「話しことば」があるわけです。


この両者が同じ規則に基づいていなければ、書いたとおりに読むことができません。
そのためにある一定の習慣が生まれ、それが守られるようになったわけです。
日本語の場合、平仮名、片仮名、漢字、ローマ字の4種類あります。
この4種類の文字をどのような規則によって用いるか、
教師はよく知っていなければいけません。
音声の[デンシャ]は「電車」と書きます。
しかし音声の[バス]は「バス」と書きます。[ノル]は「乗る」と書きます。
このように文字を用いて書き表したものを、その言葉の表記というのです。

ここでは、日本語を書き表す文字について学習します。

そして、その文字を学習者に教えるのはどのようにすればいいかを学びます。

テキスト:髙木 祐子著『日本語教師トレーニングマニュアル6 日本語の文字・表記入門』バベル・プレス、『新しい国語表記ハンドブック』三省堂